アルバイトをしなければ経験できない格差

大学時代、マスコミ関係のとある会社でアルバイトとして働いていました。大学の先輩からの紹介でしたし、夢のマスコミ!というワクワク感が強すぎるくらいで、鼻息荒くその会社に乗り込み、面接を受けました。面接の際、仕事は、簡単に言うと正社員の人のサポートをする仕事だと聞かされました。先輩の紹介でしたので、すぐに合格し、ついにマスコミで働けることになりました。時給も、ほかのアルバイトよりは優遇されていたので頑張ろう!と思いました。

主な業務内容

その会社にはいろいろな部署がありました。私が配属された部署での仕事は、やはり、正社員のサポートでした。特に創造的なことが必要ではなく、正社員のニーズに応えるために、様々なサポートをするというものでした。実際に正社員として配属されている方々の仕事ぶりを間近で見ることができるなんて、夢のよう!このまま就職できたりしないかな!などと期待でいっぱいでした。

その中で起きたエピソード

順調に仕事を覚えて頑張っていました。その仕事の大半は、コピーであったり、ほかの部署への文書等の配達、食事を買ってくる、飲み物を購入してくるなどの雑用が大半でした。徐々に仕事を続けるにつれて、深夜の業務等も担当するようになり、気持ちも疲弊してくるようになりました。 徐々に雑用を続けるにつれ、自分が正社員の奴隷になっているような気分にさえなってきました。もちろん、給料もよく、奴隷などということは全くないのですが、その時は、疲れがたまりだしたからか、そんな気分になりました。

今、大人になって振り返ると、そんな気分になるなんて甘ちゃんだったななどと思います。しかし、当時は、スーツをビシッと着こなし(私は、雑用なので、ジャージ姿でした。)上司と交渉をしたり、我々アルバイトを使いこなす姿は、同じ空間にありながら、次元の違う存在に見えていました。

正社員の方の中には、いい方もたくさんいましたが、今思い出しても腹が立つ社員もいました。例えば、我々を呼ぶ時の声ひとつにしても、「おい!ちょっと!」だけだったり、目も合わさず、用件だけ言って書類を渡してくる。仕事を返却しても、反応なし。きっと、悪意はないのかもしれません。忙しいのだと思います、しかし、それと同時に、我々アルバイトは、正社員とは違う、雑用だけやらせている一つ下の存在だと認識していたのも事実でしょう。

私は、現在正社員として働いていますが、そのような認識を持つのは、やはり相手の気持ちを思いやれない幼稚な精神状態に現れでしょう。やはり、尊敬できる上司は、決してアルバイトだからと言って、別の対応は取りません。当時の私は、悔しい気持ちも味わいましたが、「所詮自分はアルバイト、あっちは正社員」などと、自分自身、劣等感を持っていました。 今思えば、当時大学生という立場であって、別にアルバイトという固定的な立場ではなかったのでそんな卑屈になる必要はありませんでしたが、当時は累積した疲れや無知で、負のスパイラルに陥っていました。

アルバイト経験が今に生きる

今思えば、アルバイトの際、大きめの会社で正社員とともに働く経験を持てたのは、非常によかったと思います。結果として、嫌な思いをしたにせよ、その経験は今の自分には必要だったと思います。特に相手の立場を思いやる、想像するという意味では、組織の一番弱い立場の気持ちを想像することはなによりも大切でしょう。

嫌な思い出ばかり書いてしまいましたが、先に述べましたとおり、いい方もいました。仕事が終わると、積極的に話しかけにきてくれて、大学での生活、将来の夢などを聞いてくれる正社員の方です。その方は、自分のキャリアプランや、これまでの経歴なども面白おかしく話してくれ、大学生の自分には、すべてがキラキラと光って見えていました。そういった出会いも、アルバイトをしなければ経験できないものです。

やはり、アルバイトと正社員の立場は、組織の中で見れば、大きな違いがあります。それが、人によっては露骨に態度に出たりして、摩擦が生まれます。ただ、悪い面だけではなく、人間の成長という長期的な視点で見れば、そんな経験も必要になる時があるのかもしれないなという風に思っています。ただ、2度と戻りたくない!!笑