可愛がりすぎるのも問題

観光のおみやげ物の販売店で、バイトとして働いていた時の話をします。ちょうど仕事を探していた時期で、家の近所に新しい店が新規オープンで求人募集していると求人雑誌の募集広告を見つけました。オープニングスタッフで仕事を始めると、バイトスタッフが仲良くなり、働き心地が良いという話を聞いていたので、すぐに申し込み、採用されることになりました。

業務内容は、みやげもの販売です。日持ちのするお菓子類と、ハンカチやストラップのような雑貨類、お酒がメインです。その店は、バイトのメンバー5人と、社員が2人で店を切り盛りしていました。チェーン店で、店舗はその店以外にも観光名所に3店舗あり、それぞれが売り上げを競争するような形になっていました。店長1人とその下のリーダーとして社員が1人、あとは同期バイトです。私は、子育て中で週に3回~4回、仕事をしていました。同じような人が1人と、あとはフリーターが2人と日曜のみの人が1名です。

店は、朝10時に店をスタートして夜7時までの営業です。平日は、店がお客さんでいっぱいになることも少なく、社員の2人は店の2階にある事務所での事務作業や店長会議などに追われていて、バイトのメンバーで販売業務をのんびりと行っていました。しかし、問題なのは観光シーズンが来た時です。朝から晩まで、お客さんでごった返し、とても2人では店は回らなくなります。

しかし、店長は会議や事務作業に追われているらしく、販売を手伝うことはほとんどありませんでした。リーダーの社員は、販売仕事も行うのですが、日常の慣れというのが忙しい時期に出るもので、販売のプロではありませんでした。フリーター2人が販売経験も豊富で、頼もしく率先して色々、仕事を引き受けてくれました。ピーク時には、レジに行列が続き、お金のやり取りだけでも大変なのに、プレゼント用にラッピングをして欲しいと要望があった時には、包装してからリボンをかける、母の日の前などにはメッセージカードを用意して記入してもらうなどのサービスも充実していました。2人のフリーターメンバーがいたからこそ、成り立っていた作業だとみんなが認識していました。

その甲斐があってチェーン店の中でも売上はダントツの1位をキープしていました。店長は、中でもフリーターの2人の活躍がすばらしいので、とても目を掛けて可愛がっていました。フリーター2人は、性格も明るく、素敵な女性だったので、それも微笑ましく私達は見ていました。しかし、リーダーの社員には、やはり納得ができなかったようでした。

私達バイト仲間の中でも、「社員2人は、販売業務には役に立たない」というような暗黙の了解のようなものがあり、何かあるとお互いで解決するようになっていました。そこにお菓子の仕入業者の不備で虫が混入するという出来事がありました。そのお菓子はお客さんからの注意で発覚し、社長と仕入業者が謝罪にお客さんの所へ出向くことになりました。最初のクレームの電話をとり対応したのがフリーターの1人でした。始めの対応が良かったようで、経緯を説明し納得して頂けたようでした。その活躍に店長どころか、社長、仕入業者もフリーターメンバーに目を掛けるようになりました。

ますます、リーダーは面白くなかったようで、「商品を棚に並べる前に全てのお菓子の品質チェックをしなさい」と言い出しました。しかし、既に確認されて仕入れている商品を再チェックすることは混んでいる時にはこの人数ではできません。それでも、お客様を待たせつつ、できる限り行いました。しかし、社員2人は手伝おうとしませんでした。このことがキッカケで社員とバイトスタッフとの間に亀裂が入りました。店長は、バイトをかばってくれましたが、リーダーの「お客さんを待たせてでもチェックしなさい」との言葉、態度に私達は理解できませんでした。フリーター1人が辞めると言い、私達も釣られるように辞めてしまいました。

今でも、その時のバイトメンバーとは仲が良く、オープニングスタッフとして働いていた時は楽しかったです。しかし、手伝わないのに、厳しくあたるリーダー社員には納得できなかったのです。社員2人との交流はその後、全くありません。